【なぜラブブは検索されたのか?】アメリカ版Googleトレンド2025から読み解く、2026年に取り組むべき3つの課題
新年あけましておめでとうございます。いよいよ2026年がスタートしましたね。
年末年始はリフレッシュできましたでしょうか?
さて、今年のマーケティング施策を練る前に昨年のトレンドを振り返る方も多いかと思います。
私もそのうちの一人なのですが、今回は昨年末に発表されたアメリカ版、2025年のGoogleトレンドを見ながら昨年のトレンドを振り返っていきたいと思います。
Googleトレンドとは?
皆さんは普段、Googleトレンドを活用していますか?
これは、Google検索におけるキーワードの人気度や検索数の推移をリアルタイムで分析できるツールで、SEO対策やマーケティング施策を練るときに欠かせないツールです。
今回見ていくのはそんなGoogleトレンドが毎年11月末に発表している”Year in Search”です。
これは、その年に急激に伸びたワードをランキング形式で紹介しているもので、まさにその年のトレンドの概要を知るのに最適なものとなっています。
※前年比で急激に伸びたワードのランキングなので、常に検索数が多い”weather”などは対象外となります
2025年の検索は「より深く、会話的」に
2025年の特徴として、Googleは検索の「質」が変化したことに言及しています。(引用元:Year in Search 2025: What and how we searched this year)
- Google 検索の新しい AI 機能により、人々はまるで友人と話しているかのように、より会話的な方法で質問するようになりました。今年は「…って何?」という質問がこれまで以上に多く見られました。(よくある例として、「6-7 って何?」などがあります。)
- 私たちはただ手っ取り早い答えを求めていたわけではありません。人々は周囲の世界についてもっと深く理解したいと考えているのです。「…について教えてください」という検索は前年比70%増加し、「どうすれば…できますか?」で始まるクエリは過去最高を記録し、昨年比25%増となりました。
そのため、「流行っているから検索する」だけでなく、なんとなく正体が不明なものに対する検索や、買う前の検証としての検索が増えた傾向にあると考えられます。
また、AIが日常に浸透する一方で、AI生成コンテンツに対する目が厳しくなりつつあるのも2025年の大きなトレンドです。
これらを踏まえ、3つのトレンドから「バズる勝ち筋」を整理してみましょう。
2025年のトレンドから見る「バズる勝ち筋」
1. KPop Demon Huntersに学ぶ:ヒットは「周辺情報」から網羅される
映画カテゴリでは圧倒的1位、全体のトレンドとしても2位だった「KPop Demon Hunters」。
この動きから、ユーザーがいかに情報を深掘りしているかがわかります。 ユーザーは作品名で検索した後、以下のように次々と検索を「分岐」させていきました。
- 「どこで見られる?」(配信・上映情報)
- 「あらすじ・キャストは?」(詳細な理解)
- 「劇中のあの曲は?」(体験の共有)
このように、一つのヒット作から「視聴・理解・行動」へとつながる情報の束が生まれているのです。
ここで注目すべきは、ユーザーは単に「映画のタイトル」を知って満足するのではなく、その周辺にある「まだ埋まっていない情報の空白」を自ら埋めにいっているという点です。
つまり、自社の製品やサービスを紹介するときも、「スペック(機能)」だけを伝えるのではなく、
- 「どんな背景で生まれたのか?」(ストーリーへの好奇心)
- 「実際に使った人はどう感じたか?」(リアルな体験への欲求)
- 「導入後にどんな変化が起きるのか?」(未来への期待)
といった、ユーザーが思わず検索したくなる「情報の奥行き(レイヤー)」をあらかじめ用意しておくと、検索してもらえる可能性が高くなります。
2. ラブブ(Labubu)に学ぶ:検索は「不安を潰す」ためにある
昨年世界的に流行したラブブですが、実は「かわいい」という理由だけでなく、その販売形態が検索を加速させました。
ラブブは「ブラインドボックス(中身が見えない箱)」や「限定品」が多く、二次流通も盛んです。
そのため、ユーザーの間では以下のような検索が急増しました。
- 「本物と偽物(いわゆるLafufu)の見分け方は?」
- 「どこなら確実に正規品が買えるの?」
このような、「失敗したくない」という思いも、検索が加速した原因の1つです。
つまり、検索の裏側には「手に入れたいワクワク」と同じくらい「損をしたくない不安」が隠れていたのです。
あえて流通を絞ることで希少価値を作り、話題性を増加させるマーケティングも手法の1つとしてありますが、「正規品の見分け方」や「保証とサポートの有無」など、ユーザーの不安を先回りして解消するコンテンツこそが、検索流入を確実な「信頼」へと変えてくれます。
情報を探している人に「ここなら安心だ」と思ってもらえる“根拠”を用意することが、問い合わせや資料請求といった次のアクションへつなげる最短ルートになります。
3. AI時代の新基準:求められるのは「slop(粗悪品)」ではない信頼
Internet Trendingでは、上位5つのうち4つがAIにまつわる言葉となりました。

自らをフィギュアやバービー人形に変えるためのプロンプトを知るための検索がほとんどですが、AIというツールが一般的になったのに対し、アメリカを代表する辞書”Merriam-Webster”が今年の言葉に選んだのは「slop(スロップ)」という不名誉な単語でした。
これは「AIで大量生産された、中身のない低品質なコンテンツ」を指します。
AIが便利になればなるほど、ユーザーは「どこかで見たような薄い情報」に疲れ、「本当に正しいのか?」「フェイク動画ではないのか?」という疑いの目を強く持つようになっていきます。
つまり、AIによる効率化の裏側で、情報の「質」と「責任」がかつてないほど問われる時代に突入しているのです。
まとめ
2025年のトレンドを振り返ると、ユーザーは「もっと深く知りたい」という欲求が強まると同時に、「現地に足を運んで確かめる前に、まずはGoogleに聞いて納得する」という傾向がこれまで以上に鮮明になりました。これらを踏まえ、2026年のSEO・マーケティング施策として意識すべきポイントは以下の3点です。
1. 「検索段階」での信頼性と安心感を強力にする
ユーザーは「失敗したくない」という強い不安を抱えて検索しています。ラブブの例にあったように、検討段階で「ここは信頼できるか?」のジャッジはすでに始まっています。
2. 好奇心を刺激する「情報の奥行き」を用意する
『KPop Demon Hunters』のヒットが示した通り、今のユーザーは表面的な情報(スペックや価格)だけでは満足しません。メインコンテンツの周辺にある「背景」や「ストーリー」をあえて見せることで、滞在時間を延ばし、ファン化を促します。
3. 量と質のジレンマを「人間の最終確認」で突破する
AIの進化により、大量のコンテンツを作ることは容易になりました。しかし、ユーザーは「slop(粗悪なAI生成物)」に対して非常に敏感になっています。2026年は、情報の「量」を維持しつつ、そこに「人の魂」をどう込めるかが勝負です。
「自社のターゲットが抱える不安は何だろう?」「どんな周辺情報があれば喜ばれるだろう?」 そんな棚卸しから、新年のマーケティングをスタートさせてみませんか?
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それでは、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
※Google、Google Trends、およびGoogleロゴは、Google LLCの商標または登録商標です。
二宮 郁花
東京の広告代理店での営業経験を活かし、マーケティングチームで企業様へのご提案やSNS運用を担当しています。横浜出身ですが海より山が好きで、大学時代はワンダーフォーゲル部として南アルプスや北アルプスに登っていました。今でも日本の緑がとても恋しいです。