「知らなかった」は通じない?画像の著作権について深掘って解説します。
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はじめに。
最近、ウォルト・ディズニー・カンパニーがOpenAIにキャラクターのライセンスを供与するという、エンターテインメント業界の常識を覆す歴史的な提携を発表しました。 ディズニーがOpenAIに10億ドル(約1,500億円)を出資(ちなみにこの投資は現金ではなく、ストックオプション(新株予約権)の形式)、ミッキーマウス、マーベル、スター・ウォーズ、ピクサーなどから200以上の主要キャラクターが、OpenAIの動画生成AI「Sora」で利用可能になります。
当然のごとく、賛否両論を巻き起こしているわけですが、その詳しい内容はここでは置いておくとして、気を付けなければいけないのが、今回のディズニーとOpenAIの契約は、あくまでSoraのユーザーが非営利目的でファンコンテンツを制作・共有するためのものだということです。つまり完全非営利のSNS(例えばInstagramのストーリーズ)でシェアするのは許容(である可能性が高い)ですが、少しでも収益につながっている・関連している時点でアウトだということになります。(例えば投稿内容で自分のビジネスへの誘導がある、インフルエンサー案件、アフィリエイトリンクが貼られている、等)
ディズニーは著作権管理が非常に厳格な企業なので、AI生成コンテンツであっても、無制限に野放しにするわけではなく、 不適切な利用(アダルトコンテンツ、暴力表現、商用利用)は、ディズニーの監視システムによって自動的に検知・削除される仕組みが導入されると予想されます。
さてここで本題、昨今特に生成AIの台頭も相まって、画像の著作権、使用可能範囲等の線引きが分かりづらくなってきていますよね。今回改めて、何がOKで何がNGなのかをまとめてみました。
まず大前提
「そのキャラ・作品・ブランドを“想起させる”時点で、ほぼアウト」
- 「似てるけど別」は基本通らない
- 意図して連想させているかどうかが判断基準になる
- 商用(メルマガ・ブログ・集客)だとより厳しく見られる
基本的にOK
自作・撮影・完全オリジナル
- 自分で撮影した写真
- 自分で描いたイラスト
- 抽象的なAI生成画像(風景・質感・背景)
商用利用OKな素材サイトの画像
例:
ただし:
- 有名キャラのコスプレ
- ブランドロゴが写ってる写真
グレーゾーン(避けた方がいい)
有名キャラを“連想させる”AI画像
例:
- ミッキー風の丸い耳シルエット
- ジブリっぽい少女+田舎風景
- ディズニープリンセスを思わせるドレス構成
企業メルマガ・ブログなら使わないのが正解
実在ブランド・商品が写り込んでいる
例:
- Appleロゴ
- NikeのSwoosh
- Disney商品
編集で消す or 別画像に差し替えが推奨
明確にNG
著作権キャラ・有名人をそのまま使う
- ディズニーキャラ
- ジブリキャラ
- マーベル・ポケモン等
- 実在の俳優・アーティスト
- AI生成でもNG
- 非営利ブログでもリスクあり
- メルマガは完全アウト
「〇〇風に描いて」と明示したAI画像
例:
- 「ディズニー風で」
- 「ジブリ風で」
- 「〇〇の画風で」
最近の規約・判例の流れでは“画風の再現”もアウト寄り
特に注意が必要な業界
Sランク = 少しでも連想させたら危険
スポーツ(プロリーグ・大会・チーム)
なぜ厳しい?
- ロゴ・ユニフォーム・大会名が収益の柱
- 放映権・スポンサー契約が絡む
- 権利管理が体系化されている
特にアウトになりやすい
- チームロゴ・エンブレム
- ユニフォーム(色×デザインで判別できるもの)
- 大会名(Olympics / World Cup / Super Bowlなど)
- 実在選手の写真・似顔絵・AI生成
「〇〇っぽいユニフォーム」もアウト寄り
エンタメ大手IP(映画・アニメ・ゲーム)
なぜ?
- キャラクター=商品
- 類似表現でもブランド毀損扱い
NG例
- キャラ風シルエット
- 配色・目・服装の組み合わせ再現
- 「〇〇風」AI生成
ファッション・ラグジュアリー
ポイント
- 商標権が主
- 写真に写り込むだけでも問題化しやすい
NG例
- ロゴ
- 特徴的な柄(LVモノグラム)
- スニーカーデザインの再現
Aランク(かなり慎重)
音楽業界
- アーティスト写真
- ジャケットアート
- 歌詞の引用(短くてもNGになりやすい)
ゲーム・eスポーツ
- キャラ
- スキン・武器デザイン
スクショは基本NG(公式ガイドライン以外)
Bランク
テック・SaaS
- ロゴは商標
- 製品写真はケースバイケース
公式のメディアキットのみ安全
→公式メディアキットって何?
一般に「メディアキット」は 報道・紹介用途のために配布される公式素材。ただし、ブランドによっては「パートナー専用(契約者のみ)」の意味で使っていることも。
例えばGoogleは「ロゴは既存のパートナー/スポンサー関係があって、正式承認を得た場合にのみ使用」と明記。
Appleも、商用目的でのAppleロゴ使用は事前の同意なしだと商標侵害になり得る旨を示している。
安全に運用するための「実務ルール」
- そのメディアキットの“利用資格”が自分にあるかを最初に確認(パートナー限定なら使わない)
- 「Editorial only」なら、販売/申込の導線から遠ざける(最低でも同一画面内に置かない)
- ガイドに従い、改変しない(色・比率・影・回転・合成・文字追加しない)
- 迷ったらロゴではなく“名前をテキストで言及”に切り替える(提携に見えにくい)
ブログって商用利用扱い?
結論から言うと、ほとんどのブログは「商用利用扱い」。
たとえ
- 無料で読める
- 直接商品を売っていない
としても、原則は商用と考えるのが無難。
商用と判断されやすい要素
1つでも当てはまれば、ほぼ商用
- 会社・個人事業の公式ブログ
- サービス紹介ページが存在する
- 問い合わせ・資料請求・CTAがある
- メルマガ登録・SNS誘導がある
- 広告(Google Ads / アフィリエイト)がある
- SEO目的(集客)が明確
「非商用」になり得るレアケース
例外的に非商用と見られる可能性があるのは:
- 完全な個人日記
- 広告なし
- 収益導線ゼロ
- 事業・仕事と無関係
- ブランド名義でない
※ それでもIP(知的財産)・スポーツ・大手ブランドは別で、「非商用でもNG」が存在。
ブログ × ロゴ / キャラ / IP の安全ライン
OK
- 名前をテキストで言及
- 事実・解説・批評
NG
- ロゴをヘッダーやOGに使用
- CTA近くにロゴ
- 「公式」「提携」を連想させる配置
- キャラ・ユニフォーム・大会ロゴ
個人ブログは?
個人のブログでも、noteや昔からやっている人はAmebaのようなプラットフォームを利用している場合がほとんどですよね?この場合、プラットフォーム自体が商用利用とみなされる、と思っていた方が安全で、IP・ロゴは使わないのが無難です。
他のサイトの画像の引用
原則、他サイトの画像は引用できず、「出典を書きさえすればOK」ではありません。画像引用がOKになるケースはかなり限定的で、(例:UI/UXやデザイン分析、報道・研究・批評などで、画像そのものを論ずる場合、等)画像と本文の主従関係や必然性など、特定の条件を諸々クリアしている場合のみOKになります。
典型的なNG画像引用がNGになる典型例
よくあるアウト
- ブログのアイキャッチに他サイト画像
- 記事途中の挿絵・雰囲気づくり
- 商品画像の転載
- キャラ画像・公式ビジュアル
- SNS投稿への転載
まとめ。
いかがでしょうか。思ってたより厳しい、と感じた方も多いかもしれませんね。特にブログやSNSを多く配信されている方は十分にお気を付けくださいね。
ご相談ください。
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橋本 直紀
ウェブデザイン周り、主にコーディングを担当する傍ら、メルマガ「編集部」一員として、ニュースレター「Seek-ten Times」冒頭のコラムを毎月執筆。 フィラデルフィアで生まれ(生まれただけ)、神奈川で育ち、東京の大学を卒業、その後ポートランド~LAと渡り歩く。色んな縁に巡り合ったものです。